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睡眠時無呼吸症候群・
睡眠外来

いびき・睡眠時無呼吸
いびき
一般的に睡眠中に上気道で発生する呼吸音で、無呼吸、低呼吸、呼吸努力関連覚醒反応(RERA)、低呼吸のエピソードを伴わずに生じるもので、日中の眠気や不眠症の症状を起こさないものです。
習慣性いびき、単純性いびきなどとも呼ばれます。女性の24% 男性の40%の報告があります。
加齢とともに増加します。70歳以上では報告される頻度が減り始めます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)では殆どいびきが伴います。

いびきの分類

いびきの分類イメージイラスト
1)かすかな、静かないびき
  (AHI 5以下)
呼吸は規則的で上気道に多少の狭窄はあるが本人にも他人にも無害。習慣性いびき、単純性いびき。
いびきと併存する心血管系疾患を持つ人は日中の眠気を訴えなくても閉塞性睡眠時無呼吸が存在する危険性が高い。
加齢や体重増加に伴い睡眠時無呼吸(OSA)を発症する危険性があります。他の睡眠障害(ADHDなど様々)を伴って眠気がある場合もあります。
2)大きな振動型いびきをかくが呼吸は規則的
  (AHI 5~15 OSAS)
本人には無害ですが、傍にいる人を困らせる場合があります。
将来典型的な睡眠時無呼吸に発展する可能性があります。
3)狭窄型いびきで呼吸は不規則
(AHI 5~15)
低呼吸、無呼吸がある。傍にいる人を困らせる場合があります。
呼吸障害軽微なため自覚症状は、ほとんどありません。
4)狭窄型いびきで呼吸は不規則
(AHI 15~30)
高度の低呼吸、無呼吸がある。
呼吸障害による夜間中途覚醒や日中の眠気がある。
全身疾患の原因とはなっていない。
5)高度な狭窄型いびきで呼吸は不規則
  (AHI 30以上)
(4)よりもさらに高度な低呼吸、無呼吸、日中の眠気がある。
高血圧など全身疾患が起こっている。
6)上記(5)がさらに酷い
高度の低呼吸、無呼吸、日中の眠気、高血圧などによる種々の全身症状のため、通常の日常生活ができない。

 

【2】~【6】までは睡眠時無呼吸症候群として本人の体のためにも治療が必要。

 

【1】が単純鼾症にほぼ該当。

 

【2】~【3】ほぼ中間で睡眠時無呼吸症候群の治療の中ではなかなか取り上げてもらえない。CPAP治療はAHI 20以上となっている。

 

【1】~【3】で鼾で悩んでおられる方は非常に多い。

【例えば】

  • 家庭内別居-最悪離婚の原因に-
  • 酷くなっても別居中で奥様も無呼吸に気づかない・・・
    可哀相なお父さん。
  • 旅行が好きだけど恥ずかしくて行けない中年女性。
  • 同僚に迷惑をかけるのが厭なまじめな男性社員。
  • 鼾がひどく入院は個室でといつも悩んでおられる患者様。

どれも深刻な悩みですが医師が治せる限り、立派な病気です。
いびき音だけの場合も、鼾音を伴う睡眠時無呼吸症候群の場合も、上気道が狭くなることには変わりなく、診断や治療の考え方は基本的には同じと考えてください。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群は「睡眠時」に「無呼吸」や「低呼吸」を繰り返す病気です。
「無呼吸」とは10秒以上の呼吸停止、「低呼吸」とは30%以上の気流低下が10秒以上持続し動脈血酸素飽和度がベースラインから3%以上低下した状態、あるいは覚醒反応を伴う状態と定義されています。
上気道の狭窄や閉塞が原因で「無呼吸」や「低呼吸」が1時間に5回以上ある方は閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
さらに心不全・脳梗塞など様々な原因により呼吸調節システムが不安定となり生じる「中枢性睡眠時無呼吸」など睡眠関連呼吸障害群にはさらにさまざまな病態が存在します。
居眠り運転のイメージイラスト
閉塞性睡眠時無呼吸は現代を代表する疾患であり、日本における患者数は940万人にのぼると推定されています。しかし適切な診断と治療を受けている患者様はまだまだ十分とは言えず、国内には未だ数百万単位の未治療患者が潜在していると考えられます。
中等症~重症患者の場合、未治療では脳梗塞や心筋梗塞を始めとする心血管疾患、心不全、不整脈、高血圧、心房細動や糖尿病など生命予後に影響する疾患を高頻度に合併します。また脂質代謝・糖代謝にも悪影響を及ぼします。
スペインで行われた大規模な疫学研究によると、未治療の重症睡眠時無呼吸患者は10年間で31.9%が心血管のトラブルを起こし、そのために10.6%が死亡したと報告しています。
さらに、睡眠時無呼吸は居眠り運転を始めとする重大事故(死亡事故を含む)の原因となります。

無呼吸のタイプ

1.閉塞性無呼吸(OSA)
呼吸努力(呼吸運動)は継続していても口や鼻からの気流が停止し、無呼吸を起こすタイプを指します。このタイプの無呼吸は、軟口蓋や舌根部分で気道が閉塞してしまい、窒息状態になるために発生します。
小顎、下顎後退、軟口蓋肥大、口蓋扁桃肥大、巨舌などが単純~複合して影響し、上気道が狭くなることが原因と考えられます。耳鼻咽喉科CT検査でよく把握できます。
これらに肥満が加わると、無呼吸がひどくなります。
上気道が狭いと肥満でなくても閉塞性無呼吸(OSA)は発生します。
閉塞のない気道状態と閉塞した気道状態
波形のふり幅がなくなる=閉塞性無呼吸の発生
波形のふり幅が弱くなる=低呼吸の発生
気道が完全に閉じるのではなく、狭小化のために換気量が少なくなった状態を指します。
●中枢性無呼吸
呼吸中枢からの呼吸刺激信号が停止するために、呼吸運動が停止して無呼吸を起こすタイプを指します。脳から呼吸指令が出なくなる呼吸中枢の異常です。
肺や胸郭、呼吸筋、末梢神経には異常がないのに、呼吸指令が出ないことにより無呼吸が生じます。CSAに陥るメカニズムは様々ですが、心臓の機能が低下した方の場合には30~40%の割合で中枢性の無呼吸がみられるとされています。
呼吸努力がない=中枢性無呼吸の発生
●混合性無呼吸症候群
中枢性(CSA)で始まり、途中で呼吸運動がみられる閉塞性(OSA)に移行するタイプを指します。

いびき・睡眠時無呼吸の
検査・診断の流れ

睡眠時無呼吸を的確に治療するためには、正しい診断と重症度の判定、原因の究明及び合併症の評価が不可欠です。
まず、関連症状の問診票に記入していただいた上で、症状や経過の確認、診察をおこないます。
その後、顎顔面や咽頭形態を評価するための検査、合併症を診断するための検査など必要に応じておこない、同時に簡易検査あるいは終夜睡眠ポリグラフィー検査、またはその両者により、睡眠障害と呼吸障害の有無と程度を診断します。
いびき・睡眠時無呼吸の検査・診断の流れイメージ図

AHIとは、Apnea Hypopnea index(無呼吸低呼吸指数)の略で、睡眠時間1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の回数を言います。

 

●AHIが40以上の場合など重症度や病状によっては、医師の判断により精密検査を行わずに直ちに治療を開始する場合があります。

鼻腔通気度検査・CT検査

鼻腔通気度検査
鼻の抵抗は刻々と変化していることを考慮して当院では数値化します。
鼻疾患による不眠症にも使用します。
鼻腔通気度検査
CT検査
上気道の立体画像を作成し患者間に供覧し解剖学的問題を提示します。
求められる最小断面積から計算式にて睡眠時無呼吸症候群のAHI 最大CPAP圧の予測をします。計算に至るまでの所要時間は5分以内です。
鼻疾患による不眠症にも使用します。
初診の方でも睡眠時無呼吸の評価ができます。

自宅で出来る簡易検査

簡易診断装置は、睡眠中の呼吸気流と酸素飽和度や呼吸運動、体位、脈拍などを調べることで、SASの疑いがあるかを判別します。主に患者様ご自身にご自宅で測定を行っていただきます。
簡易検査の流れ
簡易検査の流れSTEP1~STEP5

 

クリニックで行う睡眠検査P.S.G.

星野医師、若しくは検査技師が装着します。
クリニックで行う睡眠検査P.S.G.のイメージイラスト

クリニックで行うMSLT

ナルコレプシー、特発性過眠症かどうか調べる検査です。夜間に良質な眠気がとれていても、覚醒に問題があり日中に激しい眠気が来るときこれを明確にするためにMSLT検査を行います。
CPAP残遺眠気と言って睡眠時無呼吸の治療を行っても日中眠い症状で困っている方がいます。治療コンプライアンスや睡眠時間の問題、薬剤の副作用のほか、他の睡眠障害、内科の病気の影響、精神疾患の合併を精査します。この場合にもMSLTを行う場合があります。

 

検査の前日に当院にて夜間のポリグラフ検査を行い、そのうえで検査当日は、医療機関の防音室で午前9時ごろから検査を開始し、2時間おきに20分程度の睡眠を4~5回取り、眠りの状態を測定します。検査は夕方まで続きます。検査の結果、過眠症と診断されると治療が開始されることになりますが、当院では当該薬物の処方が現在のところできません。

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