声のかすれの症状・症例

発声の仕組み

声は閉じた声帯のすき間を空気が通り、声帯が振動することで生じます。声帯はのど仏(喉頭)の中に存在し、呼吸をするときに開き、発声をするときに閉じます。

力強い音声を発生させようとすると、声帯がしっかりと振動しなければなりません。そのために、声帯はボリュームがあり、やわらかく、ハリがあることが重要となってくるのです。

吸気時と発声時の声帯のイラスト

声のかすれの原因

しかしながら、加齢により声帯が痩せてしまった状態(声帯萎縮症、声帯溝症)や硬くなった状態(声帯瘢痕症)によって声帯が萎縮して締りが悪い状態になってしまう事があります。

発声のときに声帯のすき間が広く開きすぎる状態(声門閉鎖不全)になると、声帯は振動しにくくなり、声がかすれたり、力を入れなければ声が出なくなったりします。

声門閉鎖不全の声門のイラスト

疾患に対し既に行われている治療法

声門閉鎖不全を改善するための治療として、音声改善術(手術治療)や声帯への注射療法などがあります。

音声改善術

頚部の皮膚に切開を行い、のど仏の骨に穴を開け、声帯を外側から押し込む手術(甲状軟骨形成術Ⅰ型)です。局所麻酔で、声を聞きながら調節を行います。重度の声門閉鎖不全の方には有効ですが、そうではない場合には、調節が難しく、効果が得られないこともあります。

発声の仕組み

声帯への注射

声帯にボリュームを持たせる為、脂肪を腹部から採取し、声帯に注射する方法(声帯内脂肪注入術)や、ヒアルロン酸を注射する方法等があります。いずれも施術直後は声が改善しますが、注入したものが徐々に周りの組織に吸収され、結果的に元と同じ声に戻ってしまうことがあります。

注射器

以上のことから、現時点では、声帯萎縮症、声帯瘢痕症、声帯溝症によっておこる声門閉鎖不全に対しての標準治療はありません。

当院での取り組み

当院では、多血小板血漿(PRP)の声帯内注射が声帯のボリューム改善や声帯の組織修復に効果的ではないかと考え、現在研究に取り組んでいます。

声帯内多血小板血漿(PRP)注入について

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