声帯不全麻痺の症状・症例

症状

全身麻酔の手術の後や、首の手術の後に、「高い声が出なくなった」、「歌が歌いにくくなった」、「声の張りがなくなった」という症状が出現することがあります。

声を出す時、左右の声帯は内転し、肺から吹き上がる空気によって振動します。さらに、声帯を緊張させたりゆるませたりして、声の高さを調節します。このメカニズムは脳から伸びる神経(反回神経、上喉頭神経)により支配を受けますが、全身麻酔の際の経口挿管、あるいは手術による神経へのダメージによって、神経が麻痺してしまうことがあります。

メカニズム全体が障害を受ける場合を「声帯麻痺」といい、一部が障害を受ける場合を「声帯不全麻痺」といいます。声帯麻痺の場合には、周囲の人が分かるほど極端にかすれた声やガラガラ声になりますが、声帯不全麻痺の場合には、声はそれほど悪くないものの、これまで出ていた高い声が出なくなります。

症例1. 女性

診断

声帯不全麻痺の診断は、症状経過の問診と経鼻内視鏡検査によって行います。発声時の声帯に特殊なストロボ光をあて、声帯の振動を観察します。正常であれば、左右の声帯が同じように振動しますが、声帯不全麻痺の場合には振動の左右差が出現します。しかし、症状があるにも関わらず、検査の結果が正常に見えることもあります。

治療

神経へのダメージの程度により、神経麻痺は回復することがあります。よって、症状が出現して数ヶ月〜半年は、経過観察を行うことが多いです。声を高くすることを目的に、音声治療(ボイストレーニング)や手術を行います。

当院での取り組み

当院では、声帯の緊張を高め、声を高くする手術(甲状軟骨形成術Ⅳ型)を行なっています。また、症状に応じて他の喉頭形成術を組み合わせて行なっています。輪状軟骨と甲状軟骨をつなぐ筋肉(輪状甲状筋)は声の高さを調節する筋肉で、この筋肉が収縮することで高い声が出ます。声帯不全麻痺は、この筋肉が麻痺していることがほとんどです。手術を行うことで、声帯を緊張し、高い声が出るようになります。手術は局所麻酔で行うため、実際に声を聞きながら、声の高さを調節することが可能です。

一色の甲状軟骨形成術について

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