鼻中隔矯正術

鼻中隔矯正術左右の鼻を分けている軟骨(鼻中隔軟骨)は、日本人の約9割が曲がっている(彎曲)と言われています。なかでも鼻中隔軟骨が大きく彎曲している状態を鼻中隔弯曲症と言い、鼻づまりやいびきなどのほか、副鼻腔炎などと合併することで鼻漏などが症状として現れます。

鼻中隔が彎曲していても多くの方は症状を自覚しません。外見上も鼻中隔の彎曲はわかりにくいのですが、特に横になった際にどちらかの鼻がよくつまってしまう、または交互に左右が詰まるという方は、鼻中隔弯曲が原因の可能性があります。

彎曲の程度が強い方やアレルギー性鼻炎を発症している方は症状改善に手術が必要になることがあります。鼻中隔の彎曲は薬で治るものではありませんので、手術で彎曲を矯正しなくてはなりません。

鼻中隔弯曲症の手術療法は鼻中隔矯正術を行います。鼻中隔矯正術は彎曲した骨や軟骨を取り除くことで鼻中隔を矯正する手術法で、鼻の曲がりが改善されることで鼻の通りをスムーズにします。

アレルギー性鼻炎がある方で鼻中隔の彎曲を伴う方はより極端に鼻づまりの症状がでますので、多くの場合で鼻中隔矯正術と併せて粘膜下下鼻甲介骨切除を行います。

または内視鏡下副鼻腔手術の際、彎曲があることで手術操作が困難になる場合は、鼻中隔矯正術を同時に行うこともあります。


症例

鼻中隔矯正前

鼻中隔が右側に飛び出し、右の鼻腔が圧迫されています。
手術により鼻中隔を矯正し、同時に粘膜下下鼻甲介切除術を併用して行うことにより、右鼻腔の通りを改善し、左鼻腔とのバランスを良くなるようにします。

鼻中隔矯正術(内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型)

鼻中隔矯正術の多くは内視鏡と手術器械を鼻の孔から奥に入れて鼻内の操作のみで行うことができます。当院では2017年1月~12月の一年間で200人近い方が受けられた手術で、水曜日を除く平日にほぼ毎日行っています。

粘膜下下鼻甲介骨切除術、後鼻神経切断術、内視鏡下副鼻腔手術と組み合わせて行うことが多いため、手術は基本的に1泊2日の入院、全身麻酔で行っています。

  • 手術の流れ
  • 1 鼻中隔粘膜(左右どちらか)をメスで切開し、鼻中隔軟骨を露出します。
  • 2 軟骨と軟骨膜の間を剥がしていき、奥の方で曲がった骨(鋤骨・篩骨など)を切除します。
  • 3 鼻中隔軟骨の撓み(たわみ)を矯正し、剥がした粘膜を元に戻します。
  • 4 粘膜を切開した場所を糸で縫い合わせます。
  • 5 鼻内に止血剤(サージセル®、ソーブサン®)を置きます。時にはアイバロン®というスポンジ状の素材を鼻腔内に数日間置きます。
  • 鼻の入口からの彎曲が強い方などで鼻内からの操作のみでは彎曲が矯正できない場合には外鼻形成術という鼻の外側の皮膚に切開を入れる方法での手術を行うこともあります。
  • 鼻中隔粘膜は血流が多い部位のため、メスで切開した左右のどちらかからの出血が術後数日間目立ちます。また、術後1~2週間は手術をした部位の粘膜が腫脹するため、鼻閉は一時的に手術前より強くなりますが、この鼻閉は必ず治まってきますのでしばらくの間の我慢をお願いしています。