その他の鼻の症状

急性副鼻腔炎

鼻の周りに存在する空洞「副鼻腔」が、細菌やウイルスによる感染やアレルギーによって炎症を起こした状態が急性副鼻腔炎です。鼻づまり、鼻水、発熱などの症状があります。頬、目の周り、額などに痛みを感じることもあります。

薬剤性鼻炎

市販の点鼻薬を過度に使用することで、かえってひどい鼻詰まりを起こしている状態です。まず市販の点鼻薬を中止して頂き、抗アレルギー剤の内服、鼻洗浄、ステロイド点鼻薬を用いて改善させていきます。ただし、症状が改善しない場合は、手術(粘膜下下鼻甲介切除術後鼻神経切断術)の適応となります。

鼻副鼻腔腫瘍

副鼻腔炎によってできる鼻茸と見た目の区別がつかないこともあります。外来や手術で腫瘍の一部を切除して、病理組織検査を行います。

感冒後嗅覚障害

風邪にかかった後、咳や鼻水といった症状は治ったのににおいがわからない状態が続きます。ウイルスが嗅粘膜、嗅神経にダメージを与えている状態であり、わかるにおいとわからないにおいができたり、本来のにおいと違うもののように感じたり(異嗅症)します。

においの検査(T&Tオルファクトメトリー、アリナミンテスト)などを行い診断します。半年から1年間以上の経過観察でゆっくりと自然改善するケースもありますが、内服薬や他の治療によって改善率を高めることが期待できます。当院では、独自の嗅覚トレーニングキットを用い、嗅覚刺激療法(嗅覚トレーニング)を行います。長期的に根気強くリハビリを続けていく事が必要となります。

外傷性嗅覚障害

鼻や頭を骨折するような外傷、骨折はなくても頭部打撲によって脳挫傷をおこしてしまった方などが嗅覚障害を自覚されることがあります。嗅神経は頭部の前方にありますが、転倒などで後頭部を打撲した場合に頭蓋内で脳が前方にずれて前方の脳挫傷をひきおこし、嗅神経の末端の嗅糸と呼ばれる部位が切れてしまったりしてにおいがわからなくなることもあります。

脳挫傷に伴う外傷性嗅覚障害や加齢や神経変性疾患に伴う嗅覚障害を改善させる有効な治療法は残念ながらみつかっていません。近年注目されている嗅覚刺激療法などの効果が加齢による嗅覚の低下などには効果を持つかもしれないと考えられていますので、治療方法の確立にむけて日々研究がすすんでいる段階です。

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